No Filtration
無濾過
通常、酒は炭素濾過(活性炭を添加して濾過すること)をしますが、生まれたままの酒をお楽しみいただくため、濾過剤を一切使用しておりません。その為、瓶内に白い物が浮遊、もしくは沈殿している場合がありますが、それは本来日本酒の持っている「オリ」と言われる成分で、品質の変異ではありません。自然のままの酒をお楽しみ下さい。
Raw, or
Live-Bottled Sake
生、あるいは生詰である
通常販売されている多くの日本酒は、二度もしくはそれ以上の回数火入れ殺菌をしますが、火入れをすることによって酒の成長にとって必要な酵素も失活してしまいます。その為、できる限り火入れ殺菌をしません。火入れは各銘柄、加水生詰め☆☆、原酒生詰め☆☆☆☆の2種のみで、全て1回のみ瓶火入れをしております。瓶内で酒は生きています。
Bottle-Straged
全量瓶貯蔵
濾過をせず火入れも極力しない為、通常のタンクでの貯蔵では酒が劣化してしまいます。従って、出来た酒は即刻瓶詰めし、全量冷蔵コンテナーに於いてマイナス温度での保管をしております。
No Blend
ブレンドをしない
酒をブレンドすることによる無理な味の統一化をしません。その為、同じ銘柄、種類の酒でも仕込タンクの違いにより、酒の成分に若干の違いがあります。
Limited
Production
限定生産
蔵からの直送にはお応えできません。
必ず王祿特約店でお買い求め下さい。
王祿特約店以外のお店でお買い求めになられた酒については責任を負いかねます。
Strict Control of Temperature
徹底した冷蔵管理
王祿の特約店では品質保持のため、-5℃の冷蔵庫で王祿の酒を保管しています。お買い求めになった酒は必ず家庭用冷蔵庫で保管していただき、出来るだけお早めにお召し上がり下さいますよう、お願い申し上げます。
KAMI ITO,
Higashi Izumo
東出雲町上意東地区
王祿酒造がある東出雲町の国道九号線を挟んで南東に位置するのが東出雲町上意東地区。中国山脈から吹き下ろす風に守られて、昔から健康な稲を産する恵まれた地区だった。
「汗水垂らして野良仕事終えた後に、自分達の作った米で出来た酒を呑みたいんだ。何とか造ってもらえないだろうか」
これが地元生産者農家グループ「山田の案山子」との出会いだった。
このちょっとした贅沢が百姓としての誇りに変わり、そして、その後彼らは酒造好適米の王様「山田錦」としてモノになる米に到達するまでの遠く困難な道程を歩むことになる。
山田錦を育てている酒米農家を一軒一軒訪ね歩き、永谷先生*に食らいつく。
思いは一つ。
「石原丈径をうならせる米を作りたい!」
しかし、思った米は出来ない。収量が極端に悪い。想像を遥かに超える大変な作業の連続。結果が出ない…
1997年。彼らの作ったその米を、初めて「丈径」の原料として認めたとき、私は彼らの夢を受け継いだ。
仲間の高齢化、親の介護、様々な問題を乗り越えて
今、「山田の案山子」は「マルカミ農縁」として次の世代へと受け継がれようとしている。
『米と向き合い 自然を知る』それを教えてくれた仲間から託された米で酒を醸す責任を、毎年感じながら蔵入りを迎えている。
*故 永谷正治 元大阪国税局鑑定官室長。山田錦研究の第一人者。
「机上ではなく、常に長靴姿で田圃に居る先生」として高名。
Brewing Water, Called
"Golden Well"
仕込み水 通称「黄金井戸」
昭和37年。蔵内の井戸に不満を抱き、もらい水に頼っていた四代目 陽三は、県工業試験場に調査を依頼し、調査団を編成した。
調査を開始して一ヶ月後、ようやく発見した湧き水は、中国山脈からの自然湧水で、鉄、アンモニアは皆無。カルシウム、マグネシウムが豊富に含まれ、しかも地下の凝灰岩層が雨水を濾過する地層になっていた。その雨水は、約百年前のものであると言われている。
ところが、水脈から酒造場までの距離約2㎞。
陽三は全ての私財を手放し、地下に水道管を埋め込み国道9号線及び旧国鉄(現JR)線路の下をくぐらせる大工事をして引き込んだ後、黄金を積んでも価値があると言い、「黄金井戸」と命名した。
日量150トン。どのような干ばつの年も涸れることなく、仕込み、器具の洗浄はもとより生活用水に至るまで、全てをこの井戸水で賄っている。